企画展「西国一の大港を支えた商人たち」出品資料紹介です。
こちらは、赤間関の本陣と大年寄を務めた佐甲家に伝来したウィローパターン皿です。ウィローパターン皿とは、男女の恋の物語をモチーフにした白色陶磁器で、ウィローは柳を意味します。
その物語とは、柳の木のある豪邸に住む富豪の娘が家来の青年と身分違いの恋に落ちるというもの。富豪は、娘を他の富豪と結婚させますが、結婚式当日、娘は青年とともに逃げ出しました。2人は富豪に追われながらも島へ逃げ延びます。しかし、最終的には元結婚相手が差し向けた軍勢によって命を落とすこととなりました。憐れに思った神様が2人を鳥に変えると、2羽は仲良く空の彼方へ飛んでいきます。
ウィローパターン皿をよく見てみると、柳の木のある豪邸、2人を追う富豪、逃げ延びた島、2羽の鳥など物語の各場面が表現されており、18世紀のヨーロッパで大きな人気を博しました。
佐甲家の人々も、この物語に想いを馳せながらウィローパターン皿を使っていたのかもしれません。
この記事を表示