皆さん、こんにちは!
今回も、現在開催中の企画展「神と仏の物語」の展示資料のなかから、おすすめの逸品をご紹介したいと思います。
この木像彫刻は室町時代に制作されたと推定されるもので、功山寺に伝わった二十八部衆立像のうち、神母天像と乾闥婆像です。
二十八部衆は千手観音の眷属(けんぞく。従者のこと)として配置されることが多いことから、国宝仏殿の本尊である千手観音像とともに安置されていたと考えられています。
功山寺には、現在二十八部衆のうち、23体の木像が伝来しており、この2体は、そのうち歴史博物館で寄託を受けているものです。
左側の像が神母天(じんもてん)像で、鬼子母神(きしもじん)の名でも知られています。
彼女は多くの子どもをもつ母でありながら、他人の子を捕えて食べてしまっていました。
そこで、釈迦が彼女の子を隠し、子を失うことで母がどれだけ苦しむのか悟らせることで、仏教に帰依させたといわれています。
こうした逸話から、神母天は仏法の守護者であり、特に幼子を守り、安産を司るとされています。
右側の像は乾闥婆(けんだつば)像です。
乾闥婆は帝釈天(たいしゃくてん)に仕え、香を食し、伎楽を奏でて諸神を供養するとされ、天界の神酒であるソーマの番人ともいわれます。
また、もともとはインドの音楽神ガンダルヴァであり、仏教に取り込まれるなかで姿を変えたものとされます。
それぞれの背景を知ってあらためて仏像を観覧すると、違った見え方をするかもしれません。
ぜひこの機会にご覧ください。
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