企画展「西国一の大港を支えた商人たち」出品資料紹介です。
こちらは、現在の山口市秋穂町の地主だった小林家に残された買仕切。売買した品目、数量、代金などが記されており、売主である赤間関の問屋松尾寅三から、買主である小林家の廻船住福丸に渡されました。
この買仕切によると住福丸は、現在の北海道の増毛郡(マシケ)、石狩市厚田(アツタ)、留萌市(ルルモツペイ)など蝦夷地産のニシンを赤間関で購入していることが分かります。これらのニシンは、西廻航路を往来する北前船によって赤間関に持ち込まれたものです。
さらに、購入されたニシンは、住福丸によって九州方面に運ばれて転売されたことが分かっています。このような形で多種多様な産物が、物流の結節点である赤間関を経由して各地に運ばれていったのです。