| 2026-08-31 | 企画展「下関名所選」資料紹介(3) 開催中の企画展「下関名所選」より、注目資料をご紹介します。今回は「硯海勝地」です。「硯海勝地」は、下関出身の南画家富田壷僊が、明治時代初期に描いた関門海峡の景勝26枚をまとめたものです。表題の「硯海」とは、硯(すずり)の海とも称された関門海峡を指します。明治時代以降、沿岸の埋め立てや近代化などにより、江戸時代までの景観の多くは失われますが、本資料では近代化以前の景色を見ることができ、貴重です。いくつかの図を見てみましょう。こちらは、南部町海岸を題材とした図で、亀山より海側を眺める視点で描かれています。明治27年(1894)から行われる唐戸湾の埋め立て以前の風景を見ることができます。こちらは、壇... |
| 2026-08-07 | 企画展「下関名所選」資料紹介(2) 開催中の企画展「下関名所選」より、注目資料をご紹介します。今回は「西国名所之内廿二長府の沖」です。「西国名所之内」は、幕末~明治期に活動した歌川貞秀が西日本の名所25ヶ所を描いた作品です。現在の下関市域では、中之町の亀山八幡宮、海峡に位置する与治兵衛ヶ瀬と巌流島、そして長府の沖が題材に選ばれています。今回紹介するのはこのうち長府の沖を描いた作品。手前に長府から壇ノ浦方面へ向かう船が描かれ、遠くには巌流島や対岸の豊前国も見えます。画面の中で大きく描かれているのが、満珠・干珠の島です。長府沖に浮かぶ無人島で、現在では島の原生林が天然記念物に指定されています。両島には、神功皇后が龍神から授けられた二... |
| 2026-07-24 | 企画展「下関名所選」資料紹介 開催中の企画展「下関名所選」より、注目資料をご紹介します。今回は「六十余州名所図会長門下関」です。「六十余州名所図会」は、江戸時代後期に活動し、風景画を得意とした歌川広重が、諸国名所を題材として制作したシリーズで、全70の図から構成されています。本資料は、このうち下関を描いたもので、廻船※と、船に赴き客をとる「惣嫁」と呼ばれた遊女を題材としています。江戸時代中期以降、浮世絵の題材として風景が取り上げられるようになると、各地の名所を描いた作品も多く制作されました。下関海峡(関門海峡)は西日本の名所のひとつとして絵師たちに選ばれることも多く、全国に知られる場所であったことがうかがえます。企画展では... |
| 2026-07-10 | 企画展「下関名所選―絵図・写真で見る下関の景勝地―」開幕 7月10日(金)より、企画展「下関名所選―絵図・写真で見る下関の景勝地―」がはじまりました。江戸時代から近現代にかけての下関の景観や史跡、名所などを描いた絵図や絵はがき、写真等を展示し、その由来や変遷を紹介します。皆様のご来館をお待ちしています!関連講座の申込みも受付中です。ご希望の方は、当館受付またはお電話でお申し込みください。※詳細は展示情報のページをご覧ください |
| 2026-06-27 | 企画展注目資料のご紹介(4) 現在開催中の企画展「壇ノ浦の合戦と阿弥陀寺・赤間宮」の展示資料から、今回は「長崎紀行」をご紹介します。本資料は、江戸時代後期の享和2年(1802)の3月~6月、尾張(現愛知県)の商家「菱屋」の隠居吉田重房が、名古屋から長崎まで旅をした際の紀行文で、別名を「筑紫紀行」といいます。赤間関(下関)に到着した重房は、阿弥陀寺(現赤間神宮)に参詣するのですが、この資料を見ると、阿弥陀寺で安徳天皇像や寺宝を見学する際、拝観料を納めていたことがわかります。現代の観光地で見られるような仕組みが、江戸時代にすでにあったという点で興味深いところですが、日本における博物館のルーツの一つは、寺社仏閣の宝物館だと言われ... |