皆さん、こんにちは!
今回から、現在開催中の企画展「元清と輝元」のオススメ資料をご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは、戦国大名毛利元就の後継者である隆元が、幼い我が子に送った手紙です。
この手紙は、「幸鶴(こうつる)」に宛てられたものですが、これは隆元の長男のことで、彼はのちに輝元と名乗ることになります。
輝元が生まれて間もなく、毛利氏は周防国山口を本拠にした大内氏を滅ぼしてその領国を吸収し、大きく勢力を伸ばしています。
さらに毛利氏は隣国の大友氏や尼子氏と激しい争いを繰り広げ、毛利家当主であった隆元は父や弟たちとともに各地を転戦する忙しい日々を送りました。
まだ幼い我が子とゆっくりする時間がもてなかった隆元は、折にふれて各地の名産品などとともに息子に手紙を送っています。
この手紙は、輝元に近況を尋ねつつ、近々会うことができると伝えただけの簡単な内容ですが、なかなか一緒に過ごす時間がなかった我が子に対する愛情がうかがえるものといえます。
しかしながら、輝元が11歳の時に隆元は急死してしまい、輝元は若くして毛利家当主となり、祖父や叔父たちに厳しく指導されながら、成長していくことになりました。
戦国時代を生きた父子の交流が垣間見える手紙ですので、ぜひ博物館でご覧ください。