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和歌のもつチカラ

2022-07-18 (Mon) 15:22
今回は、現在開催中の特別展「歌を詠む武士」にあわせて、和歌に関するこぼれ話をご紹介します。

平安時代、初の勅撰和歌集(天皇の命で編さんされた和歌集)として成立した『古今和歌集』には、仮名書の序文があります。

このなかで、和歌について次のように述べられています。

「力を入れずに天地を動かし、目に見えない鬼神の心をうって感動させ、男女の仲を和らげ、勇ましいもののふの心をも慰めるのは歌である」

また、鎌倉時代に成立した『沙石集』には、「世の常の言葉であっても、和歌に用いて思いを述べれば必ず心を動かす」「神々の多くは歌によって心を動かされ、人の願いを叶える」「神仏が和歌を用いるのは、これが真言であるからこそである」などと書かれています。

これらの記述から、当時の人々が、歌には不思議なチカラがあり、心を込めて歌を詠めば、その願いは神仏に聞き届けられ、さまざまな奇跡が起きると信じていたことがわかります。

和歌は、文芸の一つであると同時に、神仏と人々をつなぐ架け橋でもあったのです。

現在、特別展で展示している室町幕府初代将軍足利尊氏の和歌(忌宮神社蔵、重要文化財)は、長門二宮(忌宮神社)に参詣した足利尊氏が、その後勝利を得たことを、長門二宮の加護によるものと信じ、感謝の意味を込めて奉納したものです。

武将たちは、心を込めて和歌を詠めば、神仏に思いが通じ、武運長久がもたらされると信じていたのでしょう。

特別展では、和歌によって領地を手に入れたり、官位が昇進したりした武士たちのエピソードをご紹介しています。

ぜひ、歴史博物館で歌にまつわる武士たちのさまざまなエピソードにふれてみてください。
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特別展「歌を詠む武士(もののふ)」開幕!

2022-07-15 (Fri) 13:06
本日から、特別展「歌を詠む武士(もののふ)」がスタートしました。今回の展示では、歌にまつわるさまざまなエピソードを交えながら、和歌・連歌と武士たちの関係をご紹介します。大内氏家臣の和歌短冊など、下関初...
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研究紀要刊行のお知らせ

2022-03-31 (Thu) 11:10
歴史博物館公式ホームページの「活動案内」に、研究紀要の2号をアップしました。ご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひご覧ください。なお、研究紀要は、今号以降PDFデータの公表のみとなりますので、...
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企画展がはじまりますっ

2022-03-10 (Thu) 17:19
3月11日より企画展「武者の世のはじまり-鎌倉時代の下関」が開催となります!みなさまのご来館をお待ちしております!ブログやSNSで見どころの紹介をしていきますので、そちらもご期待下さい!
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教育・学校関係者をかたる「なりすましメール」にご注意ください

2022-02-04 (Fri) 15:17
現在、県下におきまして、教育・学校関係者をかたる内容で関係者に不審メールが送信されている事案が発生しております。差出人や件名を見ると、教育・学校関係者から送信されたメールに見えますが、実際は無関係の第...
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図録を値下げして販売します!

2022-01-05 (Wed) 09:11
本日、令和4年1月5日より、過去に発行した図録を値下げして販売します!値下げされる図録は画像のとおりです。この機会に是非お買い求めください!
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特別展が終了となりました。

2021-12-27 (Mon) 12:50
12月26日をもちまして、三吉慎蔵没後120年記念特別展「誠之三吉慎蔵―幕末・明治を生きたサムライ」が終了となりました。たくさんのご来館ありがとうございました。
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「誠之 三吉慎蔵―幕末・明治を生きたサムライ」紹介(14)

2021-12-20 (Mon) 17:35
三吉慎蔵の特別展の会期も、残り僅か(12月26日まで)となりました。資料紹介も今回が最終回。最後は、慎蔵の人となりとその功績を、短文にして見事にまとめた林洋三の悼辞です。 洋三は、沈勇寡黙に...
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「誠之 三吉慎蔵―幕末・明治を生きたサムライ」紹介(13)

2021-12-16 (Thu) 08:02
明治34年2月16日、慎蔵危篤の報せを受けた毛利元敏は、深夜にもかかわらず、慎蔵のもとに駆け付けました。慎蔵が息を引き取ったのは、それから間もない午前1時30分のこと。享年71歳(満70歳)でした。葬...
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「誠之 三吉慎蔵―幕末・明治を生きたサムライ」紹介(12)

2021-12-13 (Mon) 09:34
近年、周りに迷惑をかけずに人生を終わるための準備「終活」をされる人が、少なくないようです。「終活」という言葉は、近年使われ始めたものですが、それ自体は新しいことではなく、今回初公開となる「死去始末」で...
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