今回も、現在開催中の企画展「壇ノ浦の合戦と阿弥陀寺・赤間宮」の展示資料から、注目資料をご紹介します。
本資料は、下関の名所を題材にした絵葉書のうち、壇ノ浦と平家蟹(へいけがに)に関するものです。
平家蟹は、甲羅の模様が特徴的な蟹ですが、この模様は平家の武将の怒りの表情が表れたものだと言われています
ちなみに、絵葉書で紹介されるぐらいですから、昔から下関の名物として知られていたかといえば、必ずしもそうとはいえません。
まず、平家蟹は関門地域以外にも広範な地域に生息していて、九州の有明海や瀬戸内海沿岸の各地、相模湾から紀伊半島に至る太平洋沿岸、さらに北海道の南部や東アジアの広い地域でも見ることができます。
また、全国の名産品が記載されている『毛吹草』(1645)は、平家蟹に関する記録としては古い時期のものとして知られていますが、同書では平家蟹は讃岐国(現香川県)の名物と紹介されています。
讃岐国は、壇ノ浦の合戦の約一か月前に屋島の合戦の舞台になっていますから、下関と同じく平家にまつわる伝承が残っていたのでしょう。
会期が残り一か月をきった現在の企画展ですが、このほかにも源平の合戦に関する伝承や史跡など、いろいろなものをご紹介しています。
ぜひ、この機会に歴史博物館の企画展をご観覧ください!