皆さん、こんにちは!
現在開催中の特別展「天下人との邂逅ー海峡の戦国史 第3章ー」は残り1か月となりましたが、おすすめ資料を紹介する記事の第5弾をお届けします。
今回ご紹介するのは、安芸国の厳島神社を中心に、厳島の様子を描いた屏風絵で、広島県福山市出身の実業家であり、古地図の収集家として知られる守屋壽氏によって蒐集・形成されたコレクションの一つです。現在は、広島県立歴史博物館の所蔵となっています。
今回の特別展では、毛利元就の4男元清にスポットを当てていますが、元服して武将として独り立ちした毛利元清が最初に預かった桜尾城は、もともとは厳島神社の神主家の城でした。
神主家の滅亡後、大内氏、次いで毛利氏が接収した桜尾城は、毛利氏のもとで重臣桂元澄が預かっていましたが、その後元清に預けられることになります。
桜尾城の周辺は、厳島神社と関係が深い地域であり、元清も厳島神社に関わっていくことになりました。
ところで、屏風絵をよく見ると、厳島神社の社殿の後ろに、南蛮人の一行が描かれています。
この屏風絵が描かれたのは江戸時代ですから、日本国内における外国人の自由通行は禁じられていたはずです。
おそらく、江戸時代に過去の様子を想像して描かれたのが、この屏風絵なのでしょう。
ひょっとしたら、元清もこのような光景を目にしたかもしれませんね。
この屏風絵は、12月1日(日)の会期末まで展示しています。ぜひこの機会に博物館でご覧ください。