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特別展「攘夷と海峡」資料紹介3

2024-08-24 (Sat) 16:49
特別展「攘夷と海峡」より、注目資料を紹介します。
今回は「砲弾鋳型」(山口県埋蔵文化財センター蔵)です。
 
砲弾鋳型
 



















本資料は萩の郡司鋳造所跡の出土品で、砲弾を造る際に使用された鋳型です。右は球形、左は椎の実形の砲弾の製造に用いられました。
 
郡司家は、元来萩藩の鋳物師として金属製品を生産した家で、一族からは優れた砲術師も多く輩出しました。
天保年間頃、日本で欧米諸国の接近に対する危機感が高まると、同家は藩の命令に応じ、大砲の鋳造・改良や、長崎等における技術習得に取り組むこととなります。
嘉永6年(1853)のペリー来航後には、郡司喜平治の自宅が藩の大砲鋳造所に指定され、本格的な洋式大砲づくりを開始。また、喜平治をはじめとする郡司家の人々は、江戸や萩に設置された鋳造所での指導も行い、長州藩の軍事力強化に尽力しました。
 
なお、現在の下関市域では、鋳物師であった長府の安尾家や王喜の木村家が、幕末に大砲の鋳造を行いました。彼らがつくった兵器は、萩や江戸で製造されたものとともに、文久3年(1863)の攘夷戦や翌年の下関戦争時に海峡沿岸の台場に設置され、実戦で用いられることとなります。
特別展では、安尾家に伝わった大砲・砲弾の設計図や、模型を展示していますので、あわせてご覧ください。

カノン砲模型






















(画像:八十斤カノン砲模型)

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