企画展「長府毛利家遺品―下関に託された至宝―」資料紹介。
初代長府藩主毛利秀元が、後継者である2男の毛利光広に送った覚書です。主君としての心得や、日頃の振舞いなどに関する教訓を18ヶ条にわたって示しています。
一部をみてみましょう。
不断居候者にも各家中之者共にも、少もみおとされさる様に、一言もおろかなる儀を申さる、日夜朝暮たしなみ之事 付、被申出儀筋目無相違之やうに心懸肝要之事
(いつも側にいる者からも、他家の者からも、軽蔑されないように、一言もいい加減なことを口にせず、日夜節度を保つこと。また、自分の言葉に、筋違いなことがないように注意することが大事である。)
賞罰正可被申付之事 付、あまりしひ過候へは、却而あなつり申ものにて、理非をよく々々分別候て、むりのなき様にとうりを以、物ことたゝしく可被申付儀、専用に候事
(賞罰を正しく申し付けること。あまりに自分本位にしていては、結局は自分が侮られるものである。道理をよくわきまえて、無理のないように、筋道を立てて、正しく申し付けることが、大事である。)
おもく被仕候所、かろく候て能所之分別何より以入候事
(深刻に受け止めるべきことと、軽く受け流しても良いことを区別するのが、何より必要である。)
現在でも学ぶべき部分がたくさんあります。
のちに、長府毛利家は、この覚書の写しを数多く作成し、縁組などで家を出る者に必ず1部渡すこととしました。
初代秀元の教えは、一族たちに脈々と受け継がれていったのです。
通期で展示していますので、ぜひご覧ください!