皆様こんにちは!
東行記念館です。
常設企画展「アートでみる幕末維新―奇兵隊の駆けた時代」の最後のイチオシ資料紹介となります。
会期は12月19日(日)までです!まだ間に合うのでお見逃しなく!
本日ご紹介するのはこちら。
「三條実美公履歴〔部分〕(東行庵蔵・当館寄託)」
本資料は、五卿の1人である三條実美の事跡を著した絵巻を、後年冊子として刊行したものです。
ご紹介するのは、元治元年(1864)10月17日、三條実美が茶臼山で奇兵隊士と狩を行った様子を描いた部分です。約300名が参加し、明け方から黄昏まで駆けまわって、「老狸七頭、狐兎そのほか雑禽数十」を狩ったといいます。
狩りには、筋骨の増強を図り、戦に備えるという目的もあり、単なるレジャー以上の意味を持っていたと推測されます。
『奇兵隊日記』中には狩に関する記録がいくつか残されています。中でも、慶応元年(1865)2月14日の猪狩りでは、隊士の南野一郎が大猪を一発で仕留めたとあり、それを見た同じく隊士の福田侠平が、「南野との(なんのその)猪をもとほす弐ツ玉」云々、というユニークな歌を南野に贈ったそうです。
狩場での交流を伝える面白いエピソードです。
【弐ツ玉】
火縄筒に弾丸を2つ込めて撃つこと。猪などを撃つのに用いた。
今回は、隊士の1人が刀掛として使用していたとされる鹿の角も展示しております。
もしかしたら、自分で仕留めたものかも…。
ぜひご来館の上、お確かめください!