慎蔵は「遺物品附」として、お世話になった人々への形見分けを記しました。
毛利元敏には朱檀机、毛利保子には朱檀の茶棚。続いて硯(15人)、衣服(2人)、金子(1人)を贈る相手の名前が記されています。
硯は必需品ですが、15面も持っていたとは驚きました。慎蔵は硯を集める趣味があったのかも。
慶応2年3月に、慎蔵が西郷隆盛や坂本龍馬ら4人にプレゼントしたのも硯。
これは、下関の特産品「赤間関硯」で、西郷に贈ったものだけが山形県に遺っています。以前お借りして展示させていただきましたが、今回は展示していません。またいつかお借りして展示できる機会があるといいな。