特別展「巌流島」資料紹介
こちらは、江戸時代後期に制作された「西国名所之内廿四 与治兵衛岩 巌流嶋」(下関市立歴史博物館蔵)。
与次兵衛ヶ瀬という岩礁と、巌流島を描いた錦絵です。与次兵衛ヶ瀬を横切る船の乗員は、身を乗り出して周囲の景色を楽しんでいます。
この錦絵に描かれている巌流島は、切り立った赤い崖が特徴的です。江戸時代に巌流島を見た人の記録には、小さな丘があり、赤土がむき出しで老松が生い茂っているとありますので、これに近い景観だったのかもしれません。また、よく見ると、小船で巌流島に上陸している人たちもいます。
決闘の舞台である巌流島は、風光明媚な島としても海峡を行き交う人々の目を楽しませていたのです。