開催中の企画展「タイムスリップ!―絵図・地図に描かれた昔日の下関」より注目資料をご紹介します。
今回は「赤間関絵図 伝狩野晴皐筆」(個人蔵/当館寄託)です。
赤間関絵図は、江戸時代後期の赤間関(阿弥陀寺町~豊前田町)とその周辺を描いた作品。全体が2m50cmほどある長い巻物です。町名や施設名が記されており、多くの船で賑わう下関海峡(関門海峡)の様子を眺めることができます。
絵図の中から、いくつかの場所を見てみましょう。

こちらは現在の南部町付近。
帆を下して碇泊する諸国の廻船。その間には、伝馬船や五十集船がひしめき合っています。白と朱の幔幕で飾られた船は、朝鮮通信使の船でしょうか?

また、こちらに見える阿弥陀寺は、現在の赤間神宮。
安徳天皇を祀る赤間神宮は、江戸時代以前には神社ではなくお寺でした。
江戸時代の紀行文などにも度々登場し、下関を往来する多くの人が詣でたといいます。

海峡に浮かぶこちらの島は、江戸時代に宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の舞台となったことで有名な巌流島。
絵図には、島の正式名称である船島と書かれています。何だかごつごつしていて、現在とは島の形が違っていますね。
(秋には当館にて巌流島をテーマにした特別展もありますよ!)
この他、様々な施設や海峡の景色を楽しむことができます。
ぜひ実物をじっくりと眺めてみてください!