9月16日より、特別展「戊辰戦争―長府藩報国隊の軌跡」が開幕しました。
会期中、ブログでは特別展の中から注目資料を紹介していきます。
今回は「盟約書」です。
こちらは、元治元年(1864)11月、藩の行く末を案じた長府藩の若い藩士たちが、朝廷や藩のために命をかけて尽くすことを誓って交わした盟約書です。
11月23日に20名の藩士が記したものと、その翌日に66名の藩士が加わって全86名にて改めて交わされたものの2点があり、今回の特別展では全体を展示しています。
内容を観ますと、冒頭には、朝廷や藩のために尽くすという誓いの言葉が書かれ、そのあとに藩士たちの署名が続いています。名前の下には赤茶色のシミが見えますが、これは誓いに背かないことを示すため、自らの指を切って血で判を押した血判です。青年たちの覚悟がうかがえます。
この盟約を交わした青年藩士たちは、翌慶応元年(1865)1月、藩に隊の結成を申請。2月に許可が下り、報国隊と名付けられました。
その後、報国隊には、安岡の有志で結成された吾往隊や、力士からなる盤石隊などが加わり、幕長戦争や戊辰戦争で活躍していきます。
今回の展示の主役である報国隊の原点ともいえるこの資料。ぜひ展示室でご覧ください。