企画展「サムライの装い―下関ゆかりの武具―」資料紹介。
こちらは初代長府藩主毛利秀元所用の「鉄錆地五十八間筋兜」(住吉神社蔵)です。
頭部を守る本体である兜鉢は室町時代のものと推定されていますが、左右に反り返っている吹返には江戸時代以降に長府毛利家で用いられた一文字三星(筆勢のない四角い一文字)があしらわれています。そのため、秀元所用の兜を江戸時代に仕立て直したものと考えられます。
兜の前面にそびえる鳥居の前立が特徴的です。鳥居には「八幡宮」とありますが、八幡神は武運の神として武士に大変好まれました。
藩祖秀元の威光を示すのにふさわしい兜といえるでしょう。