明治23年(1890)5月28日に催された「旧友会」で、三條実美が詠んだもの。慎蔵は、5月21日に東京を離れて帰郷していたため、旧友会へは参加しておらず、のちに贈られたものでしょうか。
「明治廿三年五月廿八日舊友会のむしろにまかりて
わするなよ 国のためには おのか身を ありともしらて ありしそのよを
実美」
旧友会は、三條実美が設立した会。『尾崎三良自叙略伝』には、「文久三年七卿が長州へ下りし時より太宰府に至る時分に於て、共に国家の為めに奔走尽力せし者の懇親会なり」とあります。慎蔵は明治15年から参加していたようです。
なお、三條実美は、この書を揮毫した翌年の2月18日に亡くなっています。