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特別展「花凛々と―下関ゆかりの女性たち―」資料紹介2

2023-08-18 (Fri) 11:28
開催中の特別展「花凛々と―下関ゆかりの女性たち―」より、注目資料をご紹介します。


鏻姫像 狩野芳崖筆(下関市立美術館蔵)
肖像

こちらは、長府藩12代藩主毛利元運の長女鏻子の肖像。作者は、長府藩御用絵師で、維新後も日本画の世界で活躍した狩野芳崖です。赤い着物で、腕に犬(狆)を抱いて座る鏻子の姿が描かれており、華やかさが見る人を惹きつける作品となっています。
 
鏻子は、天保11年(1840)に江戸で誕生。安政7年(1860)2月、長府藩家老細川義邵の養子周崔と結婚しました。本図はこの婚礼にあたって作成されたものと伝わります。


花鳥図屏風 狩野芳崖筆(個人蔵/下関市立美術館寄託)
屏風

屏風2

特別展では、同じく鏻子の婚礼の際に狩野芳崖が作成した花鳥図屏風も展示しています。
松、竹、梅や水辺の草花、遊ぶ鳥たちがゆったりとした空間に配置され、穏やかな自然の風景を描いた作品となっており、婚礼を祝う優美な一品と言えます。
 
作品のイメージとは裏腹に、彼女の結婚生活は必ずしも順風満帆ではなかったようです。
結婚後、夫周崔は死没。鏻子は義邵の養子頼彬に嫁ぎましたが、後に離別することとなりました。
鏻子はその後、長府毛利家に復籍。夫との別れをはじめ、様々な困難があったものと思われますが、長府毛利家の一員として家を支え、明治39年(1906)に没しました。
 
 
※花鳥図屛風は会期中に展示替えを行います
 写真上:展示期間8月4日〜9月3日
 写真下:展示期間9月5日〜10月1日

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