開催中の企画展「下関名所選」より、注目資料をご紹介します。
今回は「六十余州名所図会 長門下関」です。
「六十余州名所図会」は、江戸時代後期に活動し、風景画を得意とした歌川広重が、諸国名所を題材として制作したシリーズで、全70の図から構成されています。本資料は、このうち下関を描いたもので、廻船※と、船に赴き客をとる「惣嫁」と呼ばれた遊女を題材としています。
江戸時代中期以降、浮世絵の題材として風景が取り上げられるようになると、各地の名所を描いた作品も多く制作されました。下関海峡(関門海峡)は西日本の名所のひとつとして絵師たちに選ばれることも多く、全国に知られる場所であったことがうかがえます。
企画展では、このほかにも海峡の景色を描いた作品を複数展示しておりますので、ぜひご覧ください。
※貨物の海上輸送にあたった船。江戸時代、下関には、北海道―大坂間を日本海航路で結んだ北前船を始め、多くの廻船が寄港し、北国から九州までの幅広い地域から多様な商品が集まって活発な取引が行われた。