企画展「菊舎 ふるさと編」出品資料紹介です。
流れ寄るものははずして〔柳〕かな
文政7年春の作品です。川に浸かった柳の枝が、流れてくるごみをさらりと受け流す様子を詠んだ句であり、何事にも固執することはないという意味が込められています。
長崎において菊舎と交流した中国の文人である費晴湖は、菊舎のことを「地位や財産によって心を動かされることはなく、世の中のことを気にしない人物である」と評しています。そのような菊舎の人柄が現れた作品です。
さらに、句の中の柳は、絵文字によって表現されており、菊舎の遊び心も垣間見える大変面白い作品です。