企画展「菊舎 ふるさと編」出品資料紹介。
糸遊ふや千世もといのる母の世話
こちらは、旅先の菊舎が、長府に住む80歳近い母からの手紙と手織りの衣を受け取って詠んだ句です。母の温情に対する感謝が表現されています。
菊舎の父田上由永(本庄了左)と母タカは、常に旅先の菊舎を気遣い、様々な贈り物を届けました。贈り物のなかには、菊舎の好物だった角島ののりやワカメもあったようです。
菊舎もまた遠く離れた家族への感謝を胸に旅を続けており、この他にも家族への想いを込めた作品を多数遺しています。
なお、菊舎の父田上由永は、菊舎の結婚後に田耕から長府へ移住しましたので、菊舎が旅先から帰郷する際には、生誕地の田耕ではなく、家族の待つ長府を目指すこととなります。