企画展「長府毛利家遺品―下関に託された至宝―」資料紹介。
こちらは「長府毛利家系図」。平城天皇に始まり、近代にいたるまでの長府毛利家の系図です。全長は約20メートルにもおよび、普段はきらびやかな蒔絵の箱に収められています。
展示しているのは、戦国大名毛利元就とその子供たち、さらには初代長府藩主毛利秀元らの部分です。長府毛利家の系図なので、秀元とその実父である毛利元清の記述が充実しています。
また、この系図は、秀元の扱いが萩毛利家の系図と異なる点にも特徴があります。萩毛利家は初代萩藩主毛利秀就が毛利輝元の跡を継いだとしていますが、長府毛利家は輝元の跡を継いだ秀元が秀就に家督を譲ったと主張していました。そのため、「輝元→秀元→秀就」の形で記されています。
この認識の違いは、両家の懸案として長く尾を引くこととなります。しばしば両家対立の火種になり、明治時代になっても秀元の立場について協議の場がもたれることがありました。
長府毛利家の歴史とその想いが刻み込まれた系図をぜひご覧ください!