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03-23 (Sun) 14:41
企画展「神と仏の物語」おすすめの逸品の紹介(4)!
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皆さん、こんにちは!
大分暖かくなり、そろそろ桜の開花も近いのではないかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、現在開催中の企画展で展示中のおすすめ資料のご紹介の第4弾です。

この観音像は、功山寺に伝わった14世紀の高麗(こうらい)王朝末期の作と推定される高麗仏画で、現在は下関市立歴史博物館に寄託されています。
高麗王朝滅亡後の15世紀以降、朝鮮と比べて仏教が重んじられていた日本には、朝鮮から経典や仏画が盛んに輸入されました。
また、長門国を治めた大内氏が朝鮮に仏画を求めた例があることから、この観音像も大内氏時代の日朝交易によってもたらされたのではないかと考えられています。
観音は、観世音(かんぜおん)の略で、菩薩(ぼさつ)の一つです。
観音は、世の人々が自身の名を唱える声を聞き、心でその本質を見通して広大な慈悲を垂(た)れ、苦しみや煩悩(ぼんのう)からの解放、つまり悟りを得させるといわれます。
また、観音は勢至(せいし)菩薩とともに、阿弥陀如来の脇侍(わきじ)です。
日本では、観音はその名を呼んで救いを求めれば、救いを願う者の身分や境遇に合わせて姿を変え、誰がどこにいても救済してくれる菩薩として、信仰を集めました。
下関ゆかりの人物でいえば、たとえば高杉晋作も観音を信仰したことで知られています。
今回展示している楊柳観音は、病による苦しみからの救済を使命としている菩薩で、右手に柳の枝を持つことからこの名前があります。
なお、柳の枝は右側の水瓶(すいびょう)にさされていることもあり、この画像でも中央右側に描かれています。
ぜひ、この観音像を博物館でじっくりとご覧になり、水瓶を探してみてください。
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