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03-20 (Thu) 15:25
企画展「神と仏の物語」おすすめの逸品の紹介(3)!
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皆さん、こんにちは!
企画展のおすすめ資料のご紹介の第3段です!

今回の資料は「仏涅槃図(ぶつねはんず)」です。
旧暦の2月15日は釈迦の命日と伝わっており、多くの寺院では、涅槃会という法要が執り行われています。
現在では3月15日に行われることもあるこの涅槃会では、釈迦の最期を描いた涅槃図が掛けられ、釈迦の徳がしのばれてきました。
涅槃とは、絶対平穏の悟りの境地を指す言葉であると同時に、死去を意味する言葉でもあり、特に釈迦の死を「涅槃に入る」と表現します。
日本では、釈迦の一生を描いた仏伝図のなかでも、涅槃図が好んで描かれました。
横長の画面には、人々を導きインド各地を旅していた釈迦の最期が、釈迦入滅を悲しむ菩薩や俗人、動物とともに表されています。
図の中央付近には、沙羅双樹の下で横たわっている釈迦が描かれており、その周囲に菩薩や弟子たちが集まっている様子が見えます。
さらに図の下部では、動物たちが釈迦の死を嘆き悲しんでいます。
また、図の右上には、釈迦の生母である摩耶夫人が見えます。
摩耶夫人は、釈迦の弟子から釈迦が亡くなりそうであると聞き、釈迦のもとに向かいましたが、結局間に合わなかったといいます。
功山寺(もと長福寺)に伝わる本図は、鎌倉時代頃の制作と推定されることから、創建後間もない長福寺に施入されたものではないかと思われ、現在では下関市の指定文化財に指定されています。。
ところで、『平家物語』の冒頭には、「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」という言葉があります。
これは、釈迦の死を悲しんだ沙羅双樹の花の色が一瞬にして変化したことから、この世のものは絶えず変化するという、「無常」のたとえとして用いられているといわれています。
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