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01-07 (Sun) 09:20
源氏物語図屏風(2)
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皆さん、こんにちは!

企画展でおすすめの展示品などをご紹介する特集記事の第3回目です。

今回は、年末年始に実施した展示替えで、後期から展示している「源氏物語図屏風」(個人蔵・下関市立歴史博物館寄託)をご紹介します。



この図屏風は、江戸時代の下関で大年寄を務めた佐甲家に伝来したもので、狩野派の絵師によって描かれた前期の屏風絵とは異なり、土佐派の絵師によって描かれたとみられています。

前期の屏風絵は、1双(2点)の屏風に、それぞれ『源氏物語』の「絵合」と「胡蝶」を描いていましたが、後期の屏風絵は、同じく1双(2点)の屏風でありながら、右隻に「桐壺」・「帚木」・「若紫」・「絵合」、左隻に「末摘花」・「紅葉賀」・「野分」を配しています。

展示では、それぞれの場面解説のパネルも準備していますので、ぜひ屏風絵ともどもご観覧ください。

また、後期の屏風絵は枕屏風であり、佐甲家には、豊臣秀吉が同家に宿泊した際に用いられたという話が伝わっています。

実際には、制作年代は秀吉の時代よりも新しいようですが、現在でも鮮やかな色が残っており、見ごたえのある屏風絵です。

本陣・オランダ宿でもあった佐甲家には、九州諸藩の藩主やオランダ商館長なども宿泊しています。

この屏風絵が、どのような人々の宿泊に用いられたのか、ぜひ実際にご覧になりながら、想像してみてください。

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